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Top Page › 仕事のこと › ビスホスホネート製剤 その5
2010-04-19 (Mon) 00:54

ビスホスホネート製剤 その5

骨そしょう症の予防薬として処方されているビスホスホネート製剤(BP系製剤)
新薬が追加されました。ので、商品名でまとめると。

(経口薬)
ダイドロネル
フォサマック、ボナロン、アレンドロン酸(後発品/ジェネリック)
アクトネル、ベネット
ボノテオ、リカルボン

(注射薬)
オンクラスト、テイロック
アレディア
ビスフォナール
ゾメタ

適応症は「骨そしょう症」「骨ページェット症」「乳がん」「前立腺がん」「骨髄腫」「悪性腫瘍による高カルシウム血症」
作用として「骨吸収抑制」「骨痛緩和」「骨転移抑制」

ダイドロネルは「骨軟化症」のリスクがあるため、現在ではほとんど処方されない(ウィキより)

骨粗しょう症の薬としてはフォサマックが2001年から販売されているので、その頃からぽつぽつ処方されていたと思うのですが、予防薬として頻繁に処方されるようになったのは、2004年以降です。患者さんが飲んでいる率が高くなったなと感じるようになったのは、3年くらい前からです。(つまり、2007年) いまはボナロンを服用している患者さんが多いです。(フォサマックと成分も薬価も一緒。メーカーが違うだけです←「ボナロン」帝人 「フォサマック」万有) 骨そしょう症の予防として手軽に処方する医者が増えたのか、そこはよくわかりません。骨密度が低いからという理由だけで処方していい薬だとは、私は、いまでも思えません。

ただ、骨ページェット病、乳がんや前立腺がんの骨転移抑制、骨転移による疼痛緩和、ステロイド性骨そしょう症の予防には効果のあるお薬ですし、骨密度を上げることのできるお薬は、今のところこれだけです。と、もうひとつできたのかな。でも、日本ではまだ認可されていないかもしれません。またあとで調べてみます。けど、破骨細胞を抑制する効果のあるお薬は、同時に、顎骨壊死のリスクも生じることに変わりはないようです。

この「骨壊死」という名称も「骨髄炎」に変更しようかと検討されているようです。専門的には「ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死」といって書類上では「BRONJ」と略されます。←どう読むんだろう。

骨は代謝しています。骨を新しくつくる細胞と、骨を壊す細胞が、入れ替わり立ち代り働いて、常に新しい骨をつくりつづけるようになっているんですが、なんらかの原因で骨を壊す細胞が強くなってしまった場合、新しく骨をつくる細胞が間に合わずに、骨が壊されていくことになります。この骨を壊す(破骨細胞の)力を抑える作用があるのが、このビスホスホネート製剤です。

破骨細胞の抑制→骨芽細胞の活性=骨密度の増加=骨代謝の抑制 ←本来代謝されるべきものの残留。正常な免疫反応の阻害。→細菌感染から骨髄炎→顎骨壊死

この薬が目につくようになったとき、歯科医の中には「骨吸収を抑制するなら歯周病にも効果あるんじゃないのか」「歯周病の特効薬になるんじゃないのか」と考えた人もいたようです。←歯周病も炎症によって骨が吸収されてしまう病気です。が、それより副作用の「顎骨壊死」のほうが重かった…
歯周病は適応症に含まれていません。

服用してから「3年」というのが、ひとつの目安になっていますが(3年以下なら薬をやめる必要もなく外科処置ができる。ただし口腔環境には気をつける。) ←というか、やっぱり曖昧すぎる。経過観察が必要というけれど、発症しちゃったら、患者さんにかかる負担が大きすぎる。
見えるところですし、美容にも関わります。
その治療費だって、それいったい誰が負担すんの?と考えたら、やっぱり考えてしまう。患者さんの負担になったら、それはおかしい。かといって、歯科医の負担になるのかというと、それもおかしい。けど、何も約さずにそうなってしまったら歯医者はきっと負けるのだろう。だからこそ、BP製剤を服用している患者さんが来院した場合、この薬がどういう薬なのかを説明し、口のなかをきれいにしておくようにと指導し、どうしても抜歯しなくてはならなくなったときは、この薬を処方している医師と連携し、休薬か他の薬への変更について話し合いたいと願っています。が、結局のところ、患者さんが伝書鳩のように「歯医者にいったら、こういわれたんですけど」と医師に伝え、「医者にいったら、こういわれたんですけど」と歯医者に答えることになってしまう。患者さんを抜きにして、それぞれの主治医が話し合いの場を持ってもいいように思うんですけど… 電話でのやりとりは違法なのかな?(「個人情報保護法」違反?) 

本当なら、薬については、患者さんが伝書鳩になるんじゃなくて、薬剤師も含めて話し合うべきなんですよね。手術するときと同様、副作用についてもきちんと伝えて、そのうえで患者さんが「飲むか」「飲まないか」を決めるべきでないかなと思います。理想論ですが。とはいえ、これは患者さんに決めさせることで、責任問題を回避しているともいえてしまうのですけども…(難しい…)

「その4」を書いたとき、ちゃんと口腔内を清潔にしていれば防げるし、早期に発見できれば抗菌剤などの適切な処置で治癒することが報告されていると書きましたけど。これは「ビスホスホネート製剤 2010」と検索をかけて、とある記事を見つけたからでした。「メディカルオンライン」医療関係者用なので一般では閲覧できません。けど、歯医者のブログで記事の引用を発見しました。(著作権法違反というか、出版物なんたらにひっかかりそうなので、ここには引用しませんが)そんなような記事が2009年10月号に掲載されていたんですね。

でも、その後「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」のホームページで「重篤副作用疾患別対応マニュアル(医療関係者向け)」から、2009年11月に一部修正しているマニュアルを見つけて、熟読してみたら…「発症したらきわめて難治性」ってところは変わってないじゃん!と。他の症例との識別法などが載っていました。
お勉強になりました。

研究結果を待ってから、ですね。


「ビスホスホネート製剤のこと」
「ビスホスホネート製剤 その2」
「ビスホスホネート製剤 その3」
「ビスホスホネート製剤 その4」

「ビスホスホネート製剤 その6」

ちなみに民主党による事業仕分けパート2において「医薬品医療機器総合機構による新薬などの審査業務(89億円)と副作用情報の提供など安全対策(29億円)は、国民生活に重要とし、ともに「事業の拡充」とした。」だそーです。(フジサンケイより転載 4月28日配信)
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最終更新日 : -0001-11-30

* by 通りすがり
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2010-05-10-21:26 * 通りすがり [ 編集 * 投稿 ]