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Top Page › 仕事のこと › ビスホスホネート製剤 その6
2011-06-21 (Tue) 00:09

ビスホスホネート製剤 その6

2010年6月改定の添付文書の「使用上の注意」→「重要な基本的注意」から(4)と(5)の全文引用です。

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(4)ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、投与経路によらず顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。本剤の投与にあたっては、患者に対し適切な歯科検査を受け、必要に応じて抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置を投与前に済ませるよう指示するとともに、本剤投与中は、歯科において口腔内管理を定期的に受けるとともに、抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置はできる限り避けるよう指示すること。また、口腔内を清潔に保つことや歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知するなど、患者に十分な説明を行い、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科に受診するよう注意すること。

(5)ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部のストレス骨折が発現したとの報告があるので、X 線検査等を実施し、十分に観察しながら慎重に投与すること。この骨折では、X 線検査時に骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられ、完全骨折が起こる数週間から数ヶ月前に、罹患部位の前駆痛があるため、そのような場合には適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で骨折が起きた場合は、他方の大腿骨の画像検査も行うこと。

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重要なところは赤字にしてみました。ちなみに(1)は、食道炎を起こすことがあるので気をつけること。(2)は、骨そしょう症の原因について本剤適応以外の原因も考慮する必要があること。(3)カルシウムとビタミンDも補給すること。です。

副作用の発現率は低いです。けど、ゼロではありません。

添付文書にこう記されているにも関わらず、処方されている病院からも、処方箋薬局の薬剤師からも、適切な説明を受けていないか、右から左へ抜けてしまって患者さん本人が理解していないことが多いので、せっかく歯医者に来院してくれても「この薬を飲んでるなら、その詳細がわからないと歯を抜くことはできない」なんていわなくちゃならなくなるし。なにより長年歯周病の治療と経過観察をしていた患者さんが、3年ぶりに来院したと思ったら、この薬を服用していて、歯も大変なことになっていて…だなんてこともあるんですよね…←骨折して入院したあとずっとこの薬を服用している、とか。

薬局で渡される薬の説明書には、ちゃんと書いてありますけど。あれをちゃんと読んでいる高齢の方は少ないです。読みづらいですからね… 目が弱ってくると、文章を読むのも面倒になるようですし。

添付書類もですが、副作用について書いておけば、何かあったとき製薬会社としては訴訟を免れるということになるのでしょうか。あとは処方する医者まかせ、現場まかせで… 医科も大変ですよね。こういう添付文書に目を通して、相互作用や使用上の注意にも目を配らなくちゃならないんだから。歯科もですけどね。よく改訂されるので、改訂するごとにファイリングしてます。副作用や使用上の注意というのは、どんどん増えていくものなのです。ビスホスホネート製剤も、これからもっと増えていくんだろうなと思ってます。

最近は、この薬をすぐに処方するということはなくなったようで、私の周囲では減ってきています。ほんとうに必要な人だけが飲むべきお薬だと思ってます。悪性腫瘍や骨ベージェット病など骨転移の抑制や疼痛緩和に役立つお薬ですし、ステロイド性骨そしょう症にも有効とされてますし。必要なら飲まなくちゃいけません。自己判断で、そんな怖い薬は飲まないしようと決めちゃわないようにしてくださいね。

いろいろ書いちゃってますけども。

歯科にとっては厄介なお薬。できるだけ処方してほしくない。ほんとにその薬でなくてはいけないのか考えてほしい。処方するまえに口腔内を確認させてほしい。必要なら服用前に抜歯したいし、この口腔環境だと数年後に抜歯しなくちゃならなくなるかもしれないというリスクも伝えておきたい。患者にも、処方するお医者さんにも。

ああ、この歯だけでも抜いておきたかったな…ということが起きてしまわないように。

とはいえ、ほんとに防ぎたかったら全部の歯を抜くしかなくなってしまう。かといって、それで安心というわけじゃない。なにしろ入歯があたったところに潰瘍ができて、それが顎骨壊死につながったという報告もあるんだから… とりあえず、あれだ。口腔環境を整えておけば副作用は防げるとか、発見してすぐに抗菌剤を投与すれば大丈夫だとか、それは甘い見解かもしれないから気をつけたいところです。


「ビスホスホネート製剤のこと」
「ビスホスホネート製剤 その2」
「ビスホスホネート製剤 その3」
「ビスホスホネート製剤 その4」
「ビスホスホネート製剤 その5」

「ビスホスホネート製剤 その7」

添付文章は、こちらで検索できますよ。

http://database.japic.or.jp/ctrl/attDocsList
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最終更新日 : -0001-11-30

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