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2008-11-02 (Sun) 16:33

糖尿病の合併症としての歯周病

糖尿病の合併症は大きくわけて「細小血管障害」と「大血管障害」があります。とか、難しいことは、わきにどけておいて。要するに、簡単にいっちゃうと、糖尿病を患っていると血管が脆くなってしまうということなんです。糖尿病が原因なだけで発症する合併症は、実は、あまりありません。
糖尿病と高血圧、喫煙、飲酒などの因子が重なって、はじめて発症します。

糖尿病の三大合併症は、いずれも「細小血管障害」です。

1.神経障害(胃腸、自律神経系/しびれ、神経痛、ふらつき、発汗などから疼痛鈍麻)
2.網膜症(腎症に先行して発症する/失明の原因として最多)
3.腎症(網膜症がなければ発症しにくい/腎不全にいたる病気/人工透析、日本での第一位疾患)

自律神経系の合併症は、糖尿病になってからの年数には関わりなく起こるので、初期でも表れることがあるそうです。しびれやふらつき、神経痛などです。同じ神経障害でも胃腸障害はまた別だったりするので、合併症については、かなり個人差があるのだと思います。
網膜症になると腎症に罹りやすくなるので、糖尿病の治療を受ける前も治療中も眼科で診てもらって、眼に異常がないかどうか調べてもらっておいたほうが安心です。

「大血管障害」には脳卒中や狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、足壊疽があります。

どうしてそんな合併症になってしまうのかというと…

糖尿病というのは、インスリンが分泌されていないかインスリンが分泌していてもうまく働かなくなっている状態なので、糖分がうまく分解できずに体内をめぐります。血液中にグルコース(分解されない糖分)が多くあると、このグルコースはたんぱく質とくっつきやすい性質をもっているので、簡単にくっついてしまって血管の内側に付着し、血管を細くしてしまうばかりでなく、いろんな産生物を吐き出します。その産生物(酸性物質など)が血管を内側から傷つけ、脆くしていくのです。最初に痛手を受けるのは細い血管です。細小血管障害が起きる原因になります。
また免疫システムのなかで、糖分がありすぎることによって動きが鈍ってしまう免疫細胞があります。好中球などです。(体内のほとんどすべてのものはたんぱく質がなければつくられません。そのたんぱく質をグルコースが変質させて使いものにならないものにしていると考えてください。免疫細胞もそのひとつです) 免疫がうまく働かないことによって、風邪などに罹りやすくなります。
風邪にかかっただけで、すぐ肺炎になったりもします。
免疫力が落ちるためです。
また抗生物質などの薬が毛細血管が脆くなることによって効かなくなってきます。薬の成分は血液によって体内をめぐるからです。また腎症をわずらっている場合、その薬そのものが毒にもなりかねません。大きな血管を塞げば動脈硬化によって脳梗塞や心筋梗塞を誘発しますし、下肢に向かう血管を塞いでしまうことによって、足壊疽を引き起こします。

合併症の神経障害によって痛みを感じにくくなっているので、怪我をしたことに気づかずに、傷口がひどくなってしまうこともあります。とくに足などの小さな傷が化膿してしまうこともあります。

これらはすべて血糖コントロールができなかった為におこる合併症です。
放置がいちばんいけないということです。
様々な合併症が体の外へ出てくるまでには10年近い年月がかかります。合併症にならないようにすることは、可能です。糖尿病であることに早く気づくことが肝心です。

まれに急性発作がありますが、たいていは慢性的な病気で、ゆるやかに進行します。

で、歯周病です。

歯周病は「細小血管障害」にあたるのだと思われます。が、ここで「糖尿病の合併症のひとつである」と決めつけていいものかどうかは、ちょっと謎です。というのも、口の中は見えるからです。手入れのしやすい場所だからです。ただ糖尿病の方が重度の歯周病に罹る率は高いです。
とても、高い。

理由は、唾液中にもグルコースが多量に含まれてしまうからです。グルコースはたんぱく質とくっつきやすく、くっついた多糖体は歯の表面にくっついて細菌の楽園をつくりだします。フローラやコロニーです。歯垢(プラーク)と呼ばれます。また、毛細血管が脆くなってしまうことで栄養がいきわたらずに、歯を支える土台の骨(歯槽骨)や歯肉が衰えてしまうということ。傷の治りが悪くなり、化膿しやすいということと。化膿した場合、抗生物質を投与しても、毛細血管が脆くなっているので薬の効きも悪いという、様々なことがきっかけとなって重度の歯周病になりやすいのです。

しかも血糖値が高いと歯を抜くことができません。
HbA1C(糖分とくっついたヘモグロビン)の数値が悪くても外科処置はしづらくなります。
理由は「傷の治りが悪い」こと「化膿しやすい」こと「薬が効きにくい」こと。
化膿しやすいということは感染しやすいということでもあるので注意が必要です。

「歯垢(プラーク)」は放っておくと「歯石」になります。「歯石」になってしまうと歯みがきでは落ちなくなってしまうので、プラークコントロールが必要になります。プラークコントロールとは、きちんとした歯みがき習慣をふくめた口の中の環境改善、食生活の改善、生活態度の改善です。
具体的にいうと、
口腔環境の改善→虫歯の治療、歯周病の治療、歯並び改善、歯みがき習慣など
食生活の改善→ショ糖と脂質を多く含み歯面にくっつきやすい洋菓子を控える。カルシウムとマグネシウムを多く含んだ食品をとる(青魚、納豆、海藻類、ピーナッツ) ビタミン豊富な食品をとる(きのこ、豚肉) 良質なたんぱく質をとる(納豆、卵白、豆腐) 
生活態度の改善→寝る前はとくに念入りに磨く。磨いたあとは何も食べない。飲まない。免疫がよく働く時間帯には熟睡している(22時から26時) 間食は時間を決めて。だらだら食べないこと。お酒や喫煙は歯にとってよくないので気をつけること(だらだらなのが、とくによくないです。お酒には糖分が含まれていますし、煙草は歯周病の治りを悪くし、歯周病の症状を隠します)

以上のことをすべて守っていなくても、細菌が活発になるのは夜間と心得て、寝るまえにはきちんと歯垢(プラーク)のない状態にしておいてほしいのです。それだけでも、かなりの予防になります。
ちなみに「夜間」というのは「夜間」ですので、眠っていなくても歯みがきは必要です。
起きていても、23時前には磨いて。磨いたあとは何も食べないでください。

プラークとは、食べ物のカスと唾液(たんぱく質と糖分と脂質)がまざって絡まりあって粘液状態になった塊です。ねばっとしています。その塊のなかには、たくさんの細菌たちが棲んでいます。糖尿病になると、このプラークがつくられやすくなってしまいます。(唾液に糖分が多くあるせいです) なので、毎晩きちんと、プラークをとることが重要になります。

糖尿病の患者さんは、歯周病になりやすい。歯周病になってしまうと重症化しやすい。健康な人よりも、プラークがつくられやすい為、ちゃんとしたブラッシング(歯みがき)が必要。いま現在、なんともなくても、糖尿病と診断されたら歯医者には定期的に通院してください。
痛くなってから行くでは、遅いからです。
その歯医者が、ちゃんと予防に力を入れてくれていないようなら、転院することも必要になります。たぶん、そんなことはないとは思いますけども…

次は、逆の視点からの、お話を少し、するつもりです(長っ

逆の視点。→歯周病になると糖尿病になりやすい?です。

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最終更新日 : -0001-11-30

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